2025/03/19 11:13


わたしたちが日常的に食べている果物の名前を、漢字で表すと「こんなに難しいの!?」と驚くことがあります。 たとえば「石榴」「火龍果」などは、読み仮名がなければ果物だと気づかない人も多いでしょう。 こうした漢字は中国語由来の表記が多く、そこには言葉の由来や文化的背景が深く関わっています。 本記事では、「メロン」「パイナップル」「リンゴ」を含めた10種類の難読漢字の果物を厳選し、それぞれの意味や由来、ちょっとした雑学を詳しく解説します。


目次
難しい果物の漢字
甜瓜
鳳梨
林檎
甘蕉
檬果
西瓜
石榴
茘枝
火龍果
枇杷
まとめ


難しい果物の漢字


甜瓜(メロン)


読み方: めろん

解説:

「甜瓜」は中国語で「甘いウリ」という意味です。 「甜」は甘い、「瓜」はウリ科の植物を指します。日本では明治時代から栽培が始まり、現在では高級フルーツとして扱われています。 特に静岡県産のマスクメロンは、網目模様や香り高さから贈答用としても人気です。「甘瓜」とも表記されますが、こちらは一般的にウリ類全般を指すことがあります。


鳳梨(パイナップル)


読み方: ぱいなっぷる

解説:

「鳳梨」は中国語表記で、果実の上部が王冠のように見えることから、神聖な霊鳥「鳳凰」に例えられたとされます。 日本では明治時代からはいってきて、現在は主に沖縄県で栽培されています。果肉の甘酸っぱさと独特の香りが特徴で、缶詰やジュースとしても人気があります。 英語名「pineapple」は、松かさ(pine cone)に似た形状とリンゴに似た味が由来です。


林檎(リンゴ)


読み方: りんご

解説:

「林檎」は、「林」は木が並ぶ様子、「檎」は香りの良い果物を意味します。 リンゴは中央アジア原産で、シルクロードを経て中国や日本へ伝来しました。江戸時代には酸味のある在来種があり、明治時代以降に西洋リンゴが広まりました。 青森県や長野県が主な産地で、「ふじ」「王林」などが有名です。健康に良い果物として「一日一個のリンゴで医者いらず」とも言われます。


甘蕉(バナナ)


読み方: ばなな

解説:

「甘蕉」は「甘い芭蕉(ばしょう)」の意で、バショウ科の植物の実であることを表しています。 東南アジア原産で、今では世界中で栽培されている果物のひとつです。エネルギー源として優れており、手軽に食べられることから人気です。 漢字表記はあまり一般的ではないものの、詩的な風情があり、漢詩にも登場します。


檬果(マンゴー)


読み方: まんごー

解説:

「檬果」は中国語で、香り高い果実に使われる「檬」と「果」の組み合わせです。 インドを原産とし、仏教伝来とともに東アジアに広まりました。日本では宮崎県の「太陽のタマゴ」が特に有名で、甘く濃厚な味わいが特徴です。 果物の王様とも呼ばれ、世界中で愛される南国フルーツです。


西瓜(スイカ)


読み方: すいか

解説:

「西瓜」は「西の方から来た瓜」という意味で、原産はアフリカとされ、中国を経て日本に伝来しました。 果実の大部分が水分なので、夏の水分補給に最適です。江戸時代には庶民の間でも広まり、今では夏の風物詩として欠かせない存在です。 スイカ割りや夏祭りとの組み合わせも、日本独自の風情を感じさせます。


石榴(ザクロ)


読み方: ざくろ

解説:

「石榴」は「石のように硬い種を持つ果実」という意味で、中国では「多子多福(子どもに恵まれる)」の象徴とされています。 原産は中東〜中央アジアで、古代ペルシャやギリシャ神話にも登場する歴史ある果物です。日本へは平安時代に伝わり、現在は観賞用として庭園にも植えられます。 ビタミンCやポリフェノールが豊富で、美容にも良いとされています。


茘枝(ライチ)


読み方: らいち

解説:

「茘枝」は中国南部原産で、古くから高級果物として重宝されました。 特に唐の時代、楊貴妃が愛した果物として有名です。外皮は赤く、果肉は白く透明感があり、爽やかな甘みが特徴です。日本では缶詰や冷凍品で目にすることが多いですが、近年は国産ライチも一部で栽培されています。


火龍果(ドラゴンフルーツ)


読み方: どらごんふるーつ

解説:

「火龍果」は、外観が龍のように見えることから名付けられ、このように表記されました。 メキシコなどの中南米が原産で、近年では東南アジアや沖縄でも栽培が広がっています。果肉は白や赤、紫などがあり、見た目も鮮やかです。サボテン科の植物でありながら食べられる珍しい果物で、食物繊維やミネラルも豊富です。


枇杷(ビワ)


読み方: びわ

解説:

「枇杷」は、葉の形が楽器の琵琶に似ていることに由来します。 中国から伝わった漢字で、日本では奈良時代から栽培されていたとされています。果肉は柔らかく、爽やかな甘みが特徴の果物です。長崎県や千葉県が主な産地で、6月頃に旬を迎えます。 果実だけでなく葉も薬用として利用されており、漢方や民間療法でも重宝されています。


まとめ


漢字で書くと難しそうに見える果物も、そこには名前の由来や文化の背景、自然との深いつながりが込められています。 日常の中で何気なく食べているフルーツも、漢字という視点で見つめ直してみると、見方が変わるかもしれません。 次に果物を手に取る時は、その漢字の由来や背景を少し思い出してみてはいかがでしょうか。